ちょっと節穴

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奨学金の返済が厳しくなってきたらまずは救済措置を調べましょう。

むかし奨学金業務をしていたので思ったことなど。
学生支援機構の回し者じゃないですよ。

奨学金の返還が大変な方、その状況を放置しないで減額や返還猶予の手続きをちゃんと行ってくださいという記事です。

日本学生支援機構には、奨学金の返還が困難な人のための救済措置があります。
(参考:http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/index.html


この記事を書いたキッカケはこれ↓を読んだことです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180214-00000058-asahi-soci

この朝日新聞の記事は何を言いたいんでしょうね。

8年前に亡くなった息子さんの奨学金の返還の督促状が来た、という話なのですが。
機構側が違法行為をしているとでも言いたげな記事です。いや、借りたものを返すのは普通のことだから。

奨学金」という言葉を使うのをやめて、『日本学生支援機構教育ローン』という名称にしましょう。ってことでしょうか。

それとも『日本学生支援機構という組織を解体しろ』と言うことなのでしょうか。論点のよく分からない記事です。

日本学生支援機構奨学金は借金だから、借りる前にちゃんと考えましょうね』って啓蒙記事なんでしょうかね。
それならまだ分かります。消費者金融のCMではそのことをはっきり言っているように、「貸与型奨学金はあくまでも借金である」という認識を、もっと浸透させるべきかとは思います。

にしても変な記事だと思います。というか何の役にも立たない記事。
こんなこと書くくらいなら日本学生支援機構奨学金の制度をきちんと調べて、どうしたらこうならないか、どんな制度が利用できるのかを教えてやれよと思います。
朝日新聞のサイトの有料記事にはちゃんと続きが書いてあるんでしょうかね?

とにかく、ここからは有益な情報は何も読み取れないので書きます。


まず大前提として、日本学生支援機構奨学金の返還制度には「奨学生本人が死亡した場合は返還を免除する」制度があります ※全額免除にはならない場合もあります。
(精神若しくは身体の障害による返還免除もあります。参照:http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/menjo/ippan_menjyo.html
なので、この手続きをちゃんとしていれば今回のようなことは起こりませんでした。
(ただ、この制度がこの8年の間にできた物であればその限りではありませんが)

しかも「機構からは8年間なにも言ってこなかった」みたいに書いてありますが、たぶんそんなことはあり得ません。
機構側としても返還されたお金で奨学金を回しているので、幾度となく督促はしているはずです。
それこそ8年となると、手紙や電話をしまくっていたはず。
一括の請求が届いたということは、住所の変更がされていてそれまでの督促状が届かなかったということもないでしょう。
日本学生支援機構の取り立てが厳しいのは有名な話)

一括で督促が来ているということはもしかしたら保障会社を立てていたのかな。
となると

最初は日本学生支援機構が何度も督促→日本学生支援機構に依頼された債権回収業者が何度も督促→反応がないため保障会社が一括返済→ご両親に一括返還の督促

という流れかと思われます。
返還がないことを機構が8年間も放置してくれることは恐らくありません。

また、お子さんが書類を偽造したのでない限り、ご両親が奨学金の存在を知らなかったということもあり得ません。
「親権者もしくは後見人本人の自筆で」書かなければいけない書類がいろいろあるからです。筆跡の確認もしますし、判別が難しい場合は学生に「これは本当にお父さん(お母さん)が書いたの?」と確認もします。
(ここで「そうです」と言われるとそれ以上追及ができないのが現実ではありますが、そこはもう機構や学校の問題ではなく、家庭の問題かと思われます)
ですから、ご両親には息子さんが奨学金を借りていた認識はあったはずだと思います。


このご夫婦がお子さんを亡くされたことは本当に気の毒だと思いますが、それとこれとは別です。

借りたお金があり、度重なる督促を無視し、最後通牒がきてやっと焦り始めた。
これでは遅いです。機構の対応がひどいという意見もありますが、8年の間に「度重なる督促」はあったはずで、それに応じていれば(少なくとも無視しなければ)ここまでにはならなかったのではないかと思います。


大学なり高校なりでは、説明会のときに明確に「日本学生支援機構奨学金は借金である」ことを説明しているはずです。
だから借りすぎてはならない。借金であることを自覚しておけ、と。
返還説明会のときには救済措置の説明もしているはずだし、決して放置するな、さもないと利息が膨らんで大変なことになると言ってあるはずです。
もしも返還が厳しいようなら返還猶予や減額返還などの救済措置はあるから、放置せずに絶対にそれを利用しろと。説明会でそう言われなくとも、奨学生全員に配られる『返還のてびき』にも書いてあります。

でも、この辺の説明をちゃんと聞いてくれる学生が少ないのが現実です。
奨学金を貯金してます」と言う学生もけっこうたくさんいました。

「借金だから貯金する余裕があるなら借入金額を減額したほうがいいよ」
「借金だから、貯めてある分は卒業までに一括して返還したほうがいいよ。特に第二種奨学金は、学生のうちに返しておけばその分に利子はかからないから返還総額も減るよ」

というように薦めても

「でも何かあったときにまとまったお金が欲しいし……」

と渋る学生さんが多かったです。

でも「何かあった時のため」のお金を借金で確保しとくって変な話だと思うのです。
どれだけ説得しても納得しない学生さんが結構多くて困りました。

だから、奨学金を借りられる場合は、家族でよく話し合ってください。

・本当に借りるのか
・借りるとしたらいくら借りるのか
・そうすると総額はいくらになるのか
・いくらくらいなら社会人になってから無理なく返還できそうか
・いくらくらいなら連帯保証人(たいていの場合親)が弁済できそうか

ここを本当に、本当によく相談してください。

そしていま奨学金を借りている学生さんは、以下のことをきちんと覚えておいてください。

奨学金の返還が大変になってきたら、必ず機構へ相談すること
・経済的に余裕がない場合、きちんと手続きを取れば返還を待ってもらえる(限度はあります)
・月々の返還額を1/2もしくは1/3に減額することも可能(ただし、返還総額が変わるわけではない)
・第二種奨学金は、学生の間に返還すればその分には利子がつかない
・死亡したり、精神や身体的な障害がある場合は返還免除措置がある


↓返還困難者への救済措置のリーフレットです。

http://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/__icsFiles/afieldfile/2017/07/11/gengaku_yuyo_leaflet.pdf

この記事がどれだけの人に届くか分かりませんが、一人でも返済に苦しまずに済みますよう。